「宮」と「京」は、どう違うのか?

「宮」と「京」は、どう違うのか?

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ここで「宮」と「京」の違いについて、もう一度見直しておきましょう。都とされていたとき、例をあげると孝徳天皇のときに難波に都をうつしたことなどがあげられますが、ここでは難波(長柄豊碕)宮といわれていました。その他に近江も宮、飛鳥も宮でしたが、藤原京は京と表現されています。

 

「宮」と「京」は、どう違うのか?

 

「宮」とは、大極殿やそのまわりにある役所だけを指し示す言葉で、政治をする政庁のことです。現在一生懸命整備して公園に変えている奈良の平城宮跡がそれに当たります。対して、「京」とは都全体を指す言葉です。一般の人が住んでいる町並みも含めて都全体のことをいうので、お城と城下町の関係と考えれば分かりやすいと思います。

 

政治組織やそれに関わる全ての人が引越しするのが平城京遷都や平安京遷都といわれるものですので、遷都後、平城京があった広い土地は、有力な寺が建っているところを除けば、一気にさびれていくことになります。そこに戻ってまた都市を建てなおすなんて、容易にできることではありません。

 

ただ、平安京に遷都するときは、奈良にあった寺院はそのままにしておくようにと決められました。なぜかというと、政治と関係をもちやすい性格をもっていた奈良の仏教は注視されていて、その傾向をなくしたかったからです。平安時代になると、政治との関連性が弱い仏教として、密教などを筆頭に新しい仏教がはやりますが、それにはまたあとでふれていきましょう。





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